- 災害による停電対策の防災グッズリスト
- 停電による2次災害の危険性
令和1年9月の台風15号により千葉県で、最大約64万件の大規模停電が起きました。



最近の大規模災害では、停電の長期化リスクが懸念されています。
さらに、災害による停電では家電が使えないことに加え、通電火災のリスクも高まります。
平時から停電に備えておかないと、災害による急な停電に対処できず2次被害にも繋がってしまうため、正しく備えておきましょう。
停電対策の防災グッズリスト
災害による停電対策の防災グッズリストは下記の通りです。
防災グッズ | 内容 |
---|---|
電池式(バッテリー式)照明器具 | 室内の明かりを確保 |
モバイルバッテリー | スマホやパソコンの充電 |
ポータブル電源 | 長期停電時の電源を確保 |
無停電電源装置 | 作業中データや電気機器の保護 |
感震ブレーカー | 地震時にブレーカーを自動で落とす |
簡易トイレ | 断水への備え |



それでは詳細を解説します。
電池式(バッテリー)照明器具
停電すると、すべての家電・照明への通電がなくなって急に真っ暗となり、パニックに陥りやすいです。
電気の供給が完全に止まっても使える照明器具を、備えておくことが大切です。
停電時に使える電池式(あるいはバッテリー式)の照明器具は主に3つ
- 足元灯
- ヘッドライト
- ランタン
①足元灯
足元灯は暗い場所に設置して、人が通過すると感知して光る照明器具です。
普段は人感センサーにより点灯し、急な停電時は内蔵バッテリーに蓄電された電力により自動点灯するものが多いです。
寝室のコンセントに差しておけば、夜間の急な停電で焦ってパニックになることもありません。



僕は医療現場にいますが、特に高齢家庭は夜間に転倒して骨折するケースがかなり多いです。
②ヘッドライト
災害による停電では暗闇のなか家具が倒れたり、ものが落ちてきたりして危険です。
懐中電灯では片手が塞がってしまい危険から身を守りづらくなるため、両手があくヘッドライトの方が安全です。



長期間の停電では充電式だと使えなくなる可能性があるため、電池式のものを備えましょう。
③ランタン
ランタンは、室内灯の代わりとして使用します。
1家族につき最低1つ備えておけば家族で顔を見ながら会話することができます。
『コールマン クアッドマルチランタン』は、LED証明で明るく、4つのパネルをそれぞれ独立して使用することができます。



パネルが独立するから、1人がトイレか何かで離れるときにも便利ですよ!
パネルはスタンドが付いており、置き型照明としても使用できるためちょっとした明かりが欲しいときにも便利です。
「ライトはスマホがあるから大丈夫」と考える人もいるかと思いますが、半分正解で半分間違いです。
スマホを手元に備えている人は多く、一時的な照明としては活用できます。
でも、スマホは災害情報の取得・家族の安否確認にも使用するため、バッテリー消費を少しでも抑えたいところ。
照明器具のある場所まで移動したらスマホのライトを消して、照明器具に切り替えるようにしましょう。



一緒に乾電池も備えておくと安心です。
単1~4電池は保管期間が長いですが、実は使用期限が定められています。
各メーカーでおよそ5~10年が推奨されているため、一定期間で確認しておくことをおすすめします。
モバイルバッテリー
停電時のスマホやパソコンの充電に使用します。



防災ポーチや持ち出し用防災セットに備えてあればOKです。
パソコンを充電する場合は『USB TypeC』の出力に対応していないといけません。
パソコンも頻繁に使用するため充電したいという方は、『Anker PowerCore II Slim 10000』であれば可能です。



ANKERは信頼性の高いハードウェアブランドです。
ポータブル電源
停電が長期化した場合に、前述したモバイルバッテリーでは容量が足りなくなる可能性があります。
東日本大震災では電力が9割復旧するまでに要した日数が6日、令和1年9月の台風15号による千葉県の停電にいたっては復旧まで2週間以上を要しています。
『 BALDR PIONEER500ポータブル電源 』は、防災安全協会から認証を受けており災害時はもちろん、キャンプなど趣味での活用や日常使いにも便利!



スマホであれば約40回充電可能な容量なので、家族が多くても何度でも充電ができますよ。
無停電電源装置
テレワークにより自宅でパソコン作業をする方も多いと思いますが、急な停電でデータ損傷・消失のリスクがあります。
無停電電源装置は内部に蓄電しているため、停電で急に電力供給がなくなっても短時間であれば電力供給できます。



自宅でのパソコン作業が多い方は、ぜひ備えておきたいアイテムです。
感震ブレーカー
地震による2次災害で注意すべきことの1つとして『通電火災※』があります。
停電後の電力復旧で起こる火災のこと。
地震により倒れた電気機器や破損した配線に通電した際に、火災が発生します。 東日本大震災の際に起こった火災のうち、約65%が通電火災によると言われています。



通電火災の多くは避難による『無人』の住宅で発生しやすいとされています。
通電火災の対策としては2つ
- 停電時に電気機器の電源を切り、電源プラグからコードを抜く
- 停電時にブレーカーを落とす
災害発生時に電気機器を気にするほど冷静な対処を行える人はほとんどいないため、『ブレーカーを落とす』が唯一といっていい対策です。
とはいえ、災害発生時は家族の安否確認や防災セットの準備、避難経路や災害情報のチェックなどで、ブレーカーを落とす『だけ』のことも頭が働かないもの。
そこで有効なのが『感震ブレーカー※』です。
地震発生時に揺れを感知し、あらかじめ設定していた震度以上になると自動でブレーカーを落として通電火災を予防するもの
感震ブレーカーにはいろいろな種類がありますが、現在の住まいに後付けで設置する場合は電気工事が不要な『簡易型』がおすすめ。
簡易型感震ブレーカーは3タイプあります。
ばねタイプ | 揺れをセンサーで察知し、ばねが作動してブレーカーを落とす |
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おもりタイプ | 揺れでおもり玉が落下してブレーカーを落とす |
電気タイプ | 揺れをセンサーで察知し、マイコンに信号を送ってブレーカーを落とす |



安価な簡易タイプであれば『ばねタイプ』あるいは『おもりタイプ』がおすすめです。
ばねタイプ
おもりタイプ
簡易トイレ
停電時には断水も発生する可能性があるため、簡易トイレの備えも必要です。
マンションやビルによっては、ポンプにより貯水槽に水をくみ上げ、各部屋に水を供給しているケースがあります。
停電によりポンプの機能が停止すると、水を供給する経路が遮断され断水します。



特にマンション住まいの方は忘れずに簡易トイレを備えておきましょう。
簡易トイレは100均にもありますが、100均のものでは数時間放置すると臭いが抑えられなくなります。
『驚異の防臭袋BOS』は驚くほど臭いがしません。
2歳児の娘のおむつを入れ、数時間放置してもまったく臭いがしませんでした。
災害による停電は特に高齢者が注意
近年はスマホも重要な防災グッズの1つとされており、停電があってもすぐにスマホのライトをつけて照明器具の場所まで移動することができます。
でも、高齢者はスマホを備えていない、あるいは備えていても電話以外の操作ができないという方が多いです。



僕は普段医療機関に勤めていますが、高齢者の夜間(暗闇での)転倒による救急搬送や入院が非常に多い。
災害で冷静さを失っているときに停電が起きれば、平時の時よりも転倒リスクが高まります。
高齢の夫婦2人暮らし、あるいは1人暮らしの方は特に注意が必要です。
自分が転倒するなんて思ってもいない方ほど転倒リスクがあります。 停電に備えていない高齢家族がいる方は、ぜひ防災グッズをプレゼントで贈ってあげましょう。



自分では備えなくても、プレゼントであれば喜ばれるはずですよ!
非常食や防災セットなど、必須の防災グッズを備えていないようであれば一緒に贈ってあげて下さい。
災害による停電対策の防災グッズまとめ
防災対策の基本は持ち出し用防災セットです。
停電対策は、持ち出し用防災セットと兼用できるものがあるため、先に持ち出し用防災セットを備えてから足りないものを備えるようにしましょう。
最後にもう1度言いますが、災害による停電では高齢者の転倒や2次災害のリスクが高まります。
長期間の停電に自分自身が備えることはもちろん、足元灯や感震ブレーカーなど停電に備えた防災グッズを親にプレゼントして、大切な家族の命を守ってください。